第二章 「バリュースター飛ぶ」
 

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二十年前、南極に謎の空間異常が発生、調査の結果それは我々とは異なる歴史を歩んだ世界、パラレルワールドに続く通路<ゲート>であった。

各国は、早速調査を開始、結果数々の遺跡が発見された。それは、かつて我々の地球よりも進んだ科学技術を持つ文明が存在し、何らかの理由により滅び去ったことを意味していた。
その地球は「異界」と名付けられた。

異界の開発はかなり進み、小規模ながら都市(コロニー)ができるまでになっていた。遺失技術の研究も進み、その応用も始まっていた。
この世界での解説 この世界における解説
現実世界での解説 現実世界における解説

ある日、ゲートから最も離れたところにあるコロニーコビントンからの連絡が途絶えた。それは彼等からの侵略の合図であった。
原因が無人兵器群による破壊行為だと判明したとき、既に敵は異界開発の拠点であるセンターシティ・カトマイまで迫っていた。

急遽、国連軍が出動、しかし無人兵器=バグ達の前に、人類は異界からの撤退を余儀なくされた。
不思議なことにバグは異界からこちらの世界へ侵攻することはなかった。
こちらから異界に入らない限り戦闘は起こらない。
しかし豊富な資源や遺失技術、なにより汚染されていない自然環境など異界は諦めるには魅力的すぎる世界であった。
以後も何度か侵攻作戦が行われたが、バグたちの圧倒的な火力の前には、人類の兵器など子供のおもちゃにも等しかった。
そして1年後、ゲートは突如閉じてしまった。

その後、国家主導による開発計画は凍結されたものの、異界の資源で一攫千金をねらう一部民間企業や個人による調査活動は細々と行われていた。
人類は残されたデータからゲートの発生条件を解明し、小規模ながら人工的にゲートを発生させることに成功した。こうしてゲートを発生させる業者(プロバイダ)が誕生した。
各企業ニは私設軍とも呼ぶべき傭兵集団を組織して異界へのアクセスを開始した。時がたち、彼等の組織も変化する。現在では異界の資源の回収を専門に請け負う業者も現れていた。
彼等は異界内に限り武装を許可され対バグ戦闘のプロフェッショナルとして企業や国家に雇われていた。

コビントン

この世界での解説異界に作られた都市(コロニー)の名称。
現実世界での解説Covington。Intel Celeronプロセッサの開発コード名。 CeleronはPentiumIIアーキテクチャを採用し、低価格を実現したCPU(後述)。VALUESTAR NXでは省スペースモデルの一部機種に採用されている。

カトマイ

この世界での解説異界に作られた都市(コロニー)の名称。開発の拠点として異界の遺失技術の研究施設が多数存在する。
現実世界での解説KATOMAI。Intel PentiumIIIプロセッサの開発コード名。PentiumIIIはPentiumIIプロセッサの後継CPUにあたり、マルチメディア処理機能などが強化されている。VALUESTAR NXでもPentiumIIIプロセッサ搭載モデルを豊富にラインアップしている。